施設照明の点灯・消灯、人が毎日巡回して行う現場も多いのではないでしょうか。Field Magicなら、照明盤内のリモコンリレーに小さな無線ユニットを後付けするだけで、平日・休日・業務カレンダーに沿って自動で点灯・消灯できます。本記事では、導入の計画から工事内容まで解説します。
【計画】 照明盤のリモコンリレー数から子機台数を算出
子機を後付けできる盤かを見極めるため、施設の各棟にある照明盤がリモコンリレー方式かを確認します。リモコンリレー方式は、壁のスイッチから信号でリレーを開閉します。この方式であれば、盤に子機を後付けして自動化できます。
管理室に親機を1台、各棟に子機を用意します。子機は通信ユニットと照明制御ユニットの2台1組で、無線を受けてリモコンリレーを制御します。
| 品目 | 役割 |
|---|---|
| 通信ユニット BBUS-LR-FLM | コントローラーとLoRa無線で通信する通信ユニットです。入出力ユニットを最大15台まで接続できます。 |
| 照明制御ユニット BBUS-RM8 | リモコンリレーを制御する。1台でリモコンリレーを最大8個接続できます。 |
| リモコンリレー照明盤 | 既設物を活用できます。壁スイッチも併用可能です。 |
| PC・タブレット | Webブラウザで親機にアクセスし、設備の操作画面を表示します。 |
照明制御ユニットBBUS-RM8は、1台で8回路を制御します。リモコンリレーの回路数に応じた必要台数は、下の対応表をご覧ください。
通信ユニット1台にこの照明制御ユニットを15台までつなげ、1つのまとまりで最大120回路まで制御できます。親機につなぐ通信ユニットの登録台数に制限はありませんので1,000個以上のリモコンリレーの制御も可能です。

分電盤1台あたりのリモコンリレー数と必要な照明制御ユニット(BBUS-RM8)
| リモコンリレーの数 | 必要な BBUS-RM8 |
|---|---|
| 1〜8回路 | 1台 |
| 9〜16回路 | 2台 |
| 17〜24回路 | 3台 |
| (8回路ごとに1台を追加) | … |
| 最大120回路 | 15台(通信ユニット1台あたり) |
【電気工事】 既設盤への後付け工事内容
電気工事では、既設のリモコンリレーに子機を接続します。
作業は盤ごとに完結し、離れた盤との間は無線で通信します。
子機を取り付け、電源とアンテナを配線し、リモコンリレーの操作回路へ結線します。

照明制御ユニットBBUS-RM8は、リモコンリレーの操作回路に、既設の壁スイッチと並列に割り込ませます。

リモコン制御端子は、共通のCOM(白・2端子)と、各リレーにつなぐ0〜7(赤・8端子)に分かれます。1台で8回路を制御します。親機との通信は、通信ユニットBBUS-LR-FLMを介して行います。金属盤は電波を弱めるため、アンテナを盤外へ延長して取り付けます。

既設のリモコンリレー回路の呼称や結線は、現場ごとに異なります。実際の結線は、電気工事会社が既設盤の回路図と現物を確認して決めます。子機は、AC24Vのリモコンブレーカに接続します。AC100VやAC200V品には接続できません。
アプリ構成について

Field Magicに搭載されたのアプリケーションは上記のような構成になっています。
本記事では管理画面、NodeRED、スケジュールアプリを使用します。
【無線通信】 無線の電波強度(RSSI)を数値で確認
親機のシステム管理画面から、デバイスの登録と電波の強さ(RSSI)を確認します。
PCやタブレットのブラウザでhttp://<機器コード>.local/manage/network-devicesを開きます。
デバイスの登録方法については、【Field Magic】ユーザーガイド の 5-2. ネットワークデバイスの登録 をご確認ください。
登録したデバイスとの安定した通信のために、必要な電波強度が得られているか確認します。
電波は建物や金属盤、樹木に遮られるため、親機〜盤間で実際に電波の強さ(RSSI)を測ります。
電波の強さと通信状態は、親機のネットワークデバイス一覧の最終通信「通信テスト」を実行することで確認できます。
RSSIは受信した電波の強さを表す値で、単位はdBmです。0に近いほど強く、マイナスが大きいほど電波は弱まります。
本システムの受信限界は−123dBmですが、余裕を見て−110dBm以上を目安とします。
−110dBm以上が得られない場合は、無線アンテナの盤外・高所への取り付けや、中継機の設置を検討します。

- 電波強度を測る
PCから親機にアクセスし、画面で親機〜盤間の電波強度(RSSI)を確認します。 - アンテナを設置し直す
−110dBm以上が得られない場合は、無線アンテナを盤外や高所へ取り付け直します。 - 中継機を置く
それでも届かない場合は、間に中継機を置きます。中継機は各子機に最大2台まで(2段まで)指定でき、どの子機でも中継機として使えます。
無線のほかに、有線(LAN)も選べます。
無線(通信ユニットBBUS-LR-FLM)に代えて、LAN(BBUS-ETH-FLM)を使えます。
有線(LAN)なら、電波強度を気にする必要はありません。
【親機設定】 画面の操作で設備が動くフローを用意する
画面のボタンと現場の設備は、親機のNode-REDに作るフローでつなぎます。
PCやタブレットのブラウザでhttp://<機器コード>.local/redを開きます。
下記のファイルをダウンロードし、NodeRED画面にドラッグ&ドロップしてください。
NodeREDフロー: flows-latching-relay-lighting.json


設備制御フローの設定

- 「照明をON」という名前をダブルクリックしてBBUS-MC1ノード設定画面を開きます。
- 「NWデバイス」で制御する対象の通信ユニットを選択します。
- 「完了」をクリックします。
- 同様の動作を「照明をOFF」でも繰り返します。
- 「デプロイ」をクリックします。
デフォルトの設定は1秒(1000ms)のワンショット出力です。
「時間指定」を「0」に変更すると時間は無制限になり、例えば「照明をON」ノードが実行された場合、出力はONを保ち続けます。
【親機設定】 点灯消灯スケジュールの登録
点灯・消灯のスケジュールは、親機のスケジュールアプリで登録します。
スケジュールアプリでは、棟やフロアごとにグループを作って、その中に照明のまとまり(タイムスイッチ)を登録し、特定の時刻に自動スケジュールで制御を実行できます。
タブレットのブラウザで(http://<機器コード>.local/schedule)を開きます。

- メニューを開きます
- 「グループを追加」をクリックします。
- グループ名とタイムスイッチを入力し、「更新する」をクリックします。
タイムスイッチの入切は下記のように入力してください。
– 入:1号棟 照明ON - 切:1号棟 照明OFF - 「スケジュール設定」をクリックします。
- 自動制御するスケジュールを登録し、「更新する」をクリックします。

各タイムスイッチには「自動」「入」「切」の3つの状態があります。
動作は下記のとおりです。
- 自動 – 登録されたスケジュールどおりに制御が実行されます。
- 入 – スケジュールを無視し、変更した即時に制御状態を入に変更します。
- 切 – スケジュールを無視し、変更した即時に制御状態を切に変更します。

また、現地の壁スイッチも今までどおり使え、手元の操作が画面より優先されます。
スケジュールアプリでは、祝日など特定の日付を「特日」として登録し、特定の日付のスケジュール設定を変更することができます。長期休暇や臨時休を含む不定期な予定も祝日・特日機能を使うことで対応できます。
詳細な設定手順はマニュアルをご確認ください。
【動作確認】 時刻どおりの点消灯
スケジュール設定した時刻に、照明が点いて消えるかを確かめます。
盤の前では、照明制御ユニットBBUS-RM8のリモコン状態表示LEDで状態を読み取れます。ランプはONで赤、OFFで緑、異常で黄、未接続で消灯に変わります。
正しく設定が行えている場合、実際に照明が動作します。
初回は現地に立ち会い、狙いどおりに点消灯するかを確かめてください。
複数の照明盤のスケジュールを一元管理
既設のリモコンリレー照明盤に子機を後付けすれば、計画から動作確認までの5つの工程で、照明を業務カレンダーに沿って自動で点灯・消灯できます。
スケジュールの設定と変更は、Webブラウザから行えます。棟や拠点が分かれていても、複数の照明盤を1つの画面でまとめて管理できるため、盤ごとに現地へ出向いて設定し直す必要がありません。
導入は買い切りで、月々の利用料もかかりません。
Field Magicは、一般産業設備・施設における運用上の監視・制御を対象とした製品です。故障や誤動作が人命・重要インフラ・環境に重大な影響を及ぼすおそれのある用途には使用できません。非常停止、機械の安全を守るインターロック、過電流・漏電などの保護、保安規程が対象とする回路、および非常照明・誘導灯などの防災設備は、無線とソフトウェアに置き換えず、物理部品・物理配線・専用装置のまま維持してください。置き換えの対象は、運用上の制御に限ります。
システムや通信の異常時に備え、現地でも操作でき、緊急時には直接操作できる構成としてください。電気配線工事には電気工事士の資格が必要です。工事は電気工事会社にご依頼ください。
詳細は、製品の取扱説明書・仕様書をご確認ください。

