Wi-FiやBluetoothが普及した今も、工場や施設の設備は、無線化やデジタル化が進んでいません。例えば、ポンプの動作状況の確認や照明の消灯を確かめるために、担当者はいまも広い敷地を歩いて盤の前まで確認に行きます。
広い敷地でWiFi通信を行うためには、多数のアクセスポイントを設置する必要があり、多大なコストがかかります。また屋外や広域施設では、壁や樹木など電波を減衰させる遮蔽物が多く、通信障害の原因となります。
Field Magicは、現場でコストを抑えて安定した無線通信を行うために開発されました。
遠距離の通信に加え、中継機能を備えることで、現場の広い敷地の隅々まで、通信を可能にします。
現場には遮蔽物が多く、無線が減衰
現場において設備が設置される場所は、事務所から離れているうえに電波が届きにくい場所に存在することが多くあります。
例えば、制御室はコンクリートに覆われ、制御盤や配電盤は金属の筐体が用いられます。屋外では、樹木の葉と幹が含む水分が、隠れた制御盤への電波を減衰させます。

Field Magicが用いる920MHz帯の無線周波数は、2.4GHz帯や5GHz帯を使用するWiFiやBluetoothと比較して伝搬損失が小さく、更にLoRa無線は長距離の通信が可能です。それでも遮蔽物を挟めば電波は弱まります。そのため現場の敷地内において、直接通信できない場所も少なくありません。
子機を中継経路に指定して、無線を飛ばし切る

Field Magicでは、電波の届く位置にすでに設置してある子機を、そのまま中継機にすることが可能です。
電池駆動式も含めた全ての子機は中継機能を搭載しているため、中継専用の機器を買いたす必要や設置場所を新たに確保する必要はありません。特定子機との電波強度が弱い場合は、別の中継機を経由することで、安定した無線通信を行うことができます。
親機からの中継機は2点まで設定可能です。中継機の設定は親機で設定し固定するため、自動で変わることはありません。無線で送信されるデータには経路情報が含まれ、受信した子機は次の子機への中継を行います。
電波が全く飛ばない場所の中継

地下ピットやマンホールの下、防火区画の内側などは、金属の蓋や扉が遮蔽物となり、920MHz帯でも長距離通信は困難です。その場合は、近距離に子機を設置し中継を行うことで、電波の届きにくいエリアまでの長距離通信通信を可能にします。

中継経路を固定するメリット
Field Magicでは、中継ルートを含んだデータを送信する方式のため、無線送信後に中継経路が変化することはありません。そのため応答が返るまでの時間に上限を見込め、待ち時間(タイムアウト)を決めることができます。

中継を1つ挟むごとに区間が1つ増え、応答に時間がかかり、通信失敗と判定するまでの待ち時間が長くなります。Field Magicが中継を2段までとしているのは、この待ち時間を短く保つためです。タイムアウト時はデータの再送(リトライ)が行われ、冪等性(同じ操作を何回行っても、結果や状態が同じになる性質)が保証されます。
通信失敗時は、管理画面上で経路を確認します。一覧には直接通信のほか、中継機間の電波強度(RSSI)が表示されます。RSSI値の低い機器については、中継経路の検討を行います。

無線中継の仕組みに、メッシュなどの自動で中継経路を選択する方式もありますが、通信のたびに経路が変わり応答時間(タイムアウト)を固定化できないため、LoRaなど長距離無線における制御用途には不向きです。
中継の要否は、電波強度で判断
無線通信は、図面上の距離以上に、電波を減衰させる遮蔽物によって大きな影響を受けます。そのため中継の要否は、各子機に対する電波強度(RSSI)の実測値によって判断します。
FieldMagicでは実用に耐える電波の品質基準として、RSSIが−110dBm以上を推奨しています。RSSIが−123dBmを下回ると通信自体ができなくなります。運用開始後に、樹木の成長などで無線障害が発生した場合は、RSSIが下がることがあり、その場合は中継経路を変更します。
中継経路の設定方法
中継経路は、親機の管理画面から設定ができます。中継ルートを含んだ情報が無線送信されるため、各子機の設定は必要ありません。
- ネットワークデバイス一覧から、中継させたい子機の編集を開く。
- 「1段目中継」で、親機に最も近い中継役の子機を選ぶ。
- もう1段挟むなら「2段目中継」で次の子機を選ぶ。
- 更新すると、一覧の通信経路欄に選んだ経路が表示される。

FieldMagicで隅々まで、無線を飛ばす
現場の無線敷設は、敷地の広さに加え、遮蔽物による電波減衰の影響を大きく受けます。Field Magicでは、2段階の中継機の設置により、敷地の隅々の設備まで無線通信を可能にします。
通信失敗時には再送処理が行われます。電波強度は数値で確認でき、無線品質の低い箇所を特定し、中継経路の変更による対策ができます。
非常停止、機械のインターロック(安全装置)、過電流・漏電などの保護、および保安規程が対象とする回路には使用しないでください。これらの用途はFieldMagicの適用範囲外であり、動作の保証およびサポートの対象としておりません。

