ある運動公園では、テニスコート照明のコイン式タイマーが故障し、古い分電盤の更新も必要になっていました。集金の手間をなくすため、約300m離れた管理事務所から照明を操作する構成を検討することに。事務所と分電盤を有線でつなぐ想定で見積もりを取ると、金額の大半を占めたのは設備の更新費ではありません。アスファルト通路を掘削して制御線を埋設し、舗装を復旧する土木工事費でした。
Field Magicは、このような現場で、設備の接点を長距離無線で飛ばし、遠隔操作を可能にする機器です。事務所に親機、分電盤に子機を設置する電気工事で、事務所から照明を点灯・消灯をする構成をつくることが可能です。制御対象を増やす場合も、子機の追加で対応できます。
事務所から分電盤まで約300m、間には森が生い茂る
施設にはテニスコートが複数面あり、点灯・消灯は、各照明の足元にある分電盤のコイン式タイマーで行っていました。 管理事務所からこの分電盤までは約300m。経路上のほぼ全域が森で、樹木が生い茂り、事務所からコートを見通せません。
有線で引くなら森を迂回するしかなく、通路沿いを掘削して制御線を埋設することになります。事務所からテニスコート照明を操作するという要件をコストを抑えて実現するために、掘削工事の要らない手段を探すことになり、無線式のField Magicが候補となりました。

無線で掘削工事が不要に
Field Magicは、長距離無線で接点信号を飛ばし、離れた場所にある設備の監視と操作を、既設の盤に後付けで可能にする製品です。
親機は管理事務所に設置します。工事は、森の外側で電源が取れる場所に中継器を1台取り付け、各分電盤に子機(通信ユニット+入出力ユニット)を組み込んで結線するだけです。通路を掘削する必要はありません。
森を迂回するため、途中に中継機を1台入れる
親機と子機をつなぐのが、長距離飛ぶLoRa無線です。
LoRa無線とは
920MHz帯で使われる免許不要の無線方式。信号を時間をかけて送るため、データ量は小さいが弱い電波でも受信でき、見通しが取れれば5km以上届く。
管理事務所とテニスコートの間には森があり、樹木を通過する経路では通信が不安定になる可能性があるため、今回は中継器を1台設置しました。樹木の葉や幹は水分を多く含み、電波を吸収します。特に葉が茂る季節は減衰が大きくなるため、森を直接突き抜ける通信ルートは避けています。
中継器は、電源を確保できる場所のうち、管理事務所とテニスコート照明の両方が見通せる地点に設置しました。

盤の中に子機を設置、アンテナは外へ
分電盤内では、照明の点灯・消灯を制御しているマグネットスイッチに、子機(制御ユニット)を接続します。現地のスイッチを併用できるように回路を組むことで、遠隔操作を導入した後も、これまで通り分電盤から照明を点灯・消灯できます。
金属製の分電盤は電波を遮るため、子機のアンテナは盤外の設置する必要があり、電波が届きやすくなるよう、できるだけ高い位置への設置します。数台の分電盤を対象とする工事であれば、現地の配線状況にもよりますが、通常は1日程度で完了します。
事務所のパソコンから、点灯・消灯の操作。スケジュール設定も
Field Magicを使った照明の操作は、事務所のパソコンから行います。地図上にボタンを表示できるマップアプリを搭載、各コートの点灯・消灯ボタンが並ぶ画面から、照明を操作することができます。

他にも、スケジュールアプリから、点灯・消灯の時刻は曜日ごとにスケジュール登録ができます。祝日用のパターンは3種類まで登録できます。大会や臨時休館など通常とは異なる日は「特日」として登録し、その日だけ通常のスケジュールを上書きすることもできます。スケジュールアプリの詳細な設定手順はスケジュールアプリのマニュアルをご確認ください。

更新工事の範囲が、分電盤周辺に収まる
この現場では、コイン式タイマーの故障と分電盤の更新をきっかけに、照明制御の見直しが始まりました。管理事務所と分電盤を無線で接続したことで、制御線のための掘削工事は必要なくなり、主な更新工事は分電盤周辺の電気工事の範囲に収まりました。
Field Magicでは、照明の操作、状態表示、スケジュールの実行、操作記録の保存を、親機1台で行い、同じネットワーク上にあるパソコンやタブレットのブラウザから管理画面を開けます。 外部のクラウドサービスを経由しないローカル構成のため、クラウドサービスや通信用SIMの契約は不要です。運用開始後に月額費用が発生しないことも、Field Magicの特徴です。
まずは、1か所の分電盤と1台の設備で動作を確認できるトライアルキットもご用意しています。
Field Magicは、一般産業設備・施設における運用上の監視・制御を対象とした製品です。故障や誤動作が人命・重要インフラ・環境に重大な影響を及ぼすおそれのある用途には使用できません。非常停止、機械の安全を守るインターロック、過電流・漏電などの保護、保安規程が対象とする回路、および非常照明・誘導灯などの防災設備は、無線とソフトウェアに置き換えず、物理部品・物理配線・専用装置のまま維持してください。置き換えの対象は、運用上の制御に限ります。
システムや通信の異常時に備え、現地でも操作でき、緊急時には直接操作できる構成としてください。電気配線工事には電気工事士の資格が必要です。工事は電気工事会社にご依頼ください。
詳細は、製品の取扱説明書・仕様書をご確認ください。

