ポンプ盤の遠隔操作 – 老朽化した制御線の代わりに、管理棟からLoRa無線で操作

管理棟から約2km離れた山中のポンプ制御盤では、有線制御線の経年劣化による操作不良が起き、その都度現地へ出向いて手動操作を行う負担が生じていました。長距離架線の張り替え工事は、コストの面から困難でしたが、接点入出力を無線化する「Field Magic」を導入し、問題を解決しました。

既存のスイッチと制御盤を活かして盤内にField Magic機器を設置し、無線化で遠隔操作を復旧しました。SIMやクラウドを使わない自営無線システムのため、月額費用ゼロで運用を継続できます。

管理棟から約2km、老朽化した制御線の更新課題

山中のポンプと管理棟を結ぶ制御線(電柱架線・約2km)が経年劣化し、操作不良が度々発生していました。そのたびに現地での手動操作が発生していましたが、約2kmにおよぶ架線の張り替えは工事規模の面で見送られていました。

そこで、配線更新の代替案として、長距離通信が可能なLoRa無線システム「Field Magic」の導入が検討されました。

LoRa無線とは
920MHz帯で使われる免許不要の無線方式。信号を時間をかけて送るため、データ量は小さいが弱い電波でも受信でき、見通しが取れれば5km以上届きます。

参照記事:海ほたる〜袖ヶ浦間の実験レポート

盤内工事のみで完結、架線工事を回避

Field Magicは、設備の接点信号をLoRa無線で伝送し、制御盤への後付けで遠隔操作と状態監視を実現する製品です。

工事対象は管理棟と現地ポンプ盤の2箇所のみ。管理棟に親機を設置、ポンプ盤に子機を組み込み、長距離の制御線張り替え工事を行うことなく、無線で遠隔操作を復旧しました。

※LoRa無線の通信には、送信側と受信側の見通しが必要です。

山の麓の管理棟と、山中のポンプ盤を長距離飛ぶLoRa無線でつなぎます。

現地での手動操作を維持し、アンテナで通信環境を確保

現地のポンプ制御盤は、無線化後も緊急時や点検時に直接操作ができるよう、既設の手動スイッチを残す回路構成としています。また、金属製制御盤による電波遮蔽を防ぐため、子機アンテナは盤外に引き出し、見通しの良い高い位置へ設置しました。

管理棟のパソコンから、ポンプの起動・停止

ポンプの操作は管理棟からパソコンの画面でおこないます。画面の地図上のボタンで、ポンプの起動と停止をおこないます。運転・停止の状態も、同じ画面に表示されます。

決まった時刻にポンプの起動・停止をおこなう場合、スケジュールアプリで曜日ごとの時刻を登録します。

親機によるローカル完結の制御・監視

Field Magicは、親機コントローラー単体でポンプの手動操作や状態監視、スケジュール運転、操作ログの記録に対応します。専用ソフトの導入は不要です。普段管理棟で使うPCやタブレットから、Webブラウザ経由で管理画面へアクセスできます。

※同一ローカルネットワーク上である必要があります。

通信費・クラウド契約不要のLoRa無線

管理棟とポンプ盤間の通信にはLoRa無線を採用しており、LTE回線やインターネット網を経由しません。通信キャリアとのSIM契約やクラウド利用料が発生しないため、導入後の月額ランニングコストをゼロに抑えられます。

センサー追設による連動制御への拡張

子機は接点入出力だけでなく、アナログ入力に対応したラインナップもあります。水位センサーなどを追加で接続すると、水位と連動した制御へ拡張することも可能です。

1か所の制御盤と1台の設備であれば、トライアルキットを使い無線で遠隔操作をおこなえる環境を構築いただけます。ぜひご検討ください。

電気配線工事には電気工事士の資格が必要です。工事は電気工事会社にご依頼ください。Field Magicは、一般産業設備・施設における運用上の監視・制御を対象とした製品です。故障や誤動作が人命・重要インフラ・環境に重大な影響を及ぼすおそれのある用途には使用できません。

詳細は、製品の取扱説明書・仕様書をご確認ください。

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