近年、人口減少に伴う人手不足が深刻化する中、施設管理の効率化が大きな課題となっています。そんな中、IoT技術の進展により、さまざまなデータを活用した自動化システムも実現可能になりつつあります。
一方で、広大な敷地や施設では配線や電源の確保が難しく、従来の通信方式では十分なカバーが得られず、高額なランニングコストや運用負担がシステム導入の障壁となることも少なくありません。
こうした課題を解決する技術の一つとして、長距離かつ省電力の無線通信規格であるLoRa(Long Range)があります。本記事では、LoRaと他の無線方式との違い、そして具体的な活用事例についてご紹介します。
LoRaとは?
LoRa(Long Range)は、長距離・省電力を特徴とする無線通信技術です。特に、広範囲にわたる施設管理や遠隔監視に適しており、配線が難しい環境でも安定した通信が可能です。
LoRaの特徴
LoRaは、WiFiやBluetoothと比較して通信距離が長く、消費電力が低いため、バッテリー駆動でも数年単位で動作可能で、センサー機器とも相性が良いのが特徴です。また、低帯域幅ながら広範囲のデータ通信が可能なため、大規模な施設や屋外環境でも有効に活用できます。

| Bluetooth | WiFi | LoRa | |
|---|---|---|---|
| 通信距離 | △ ~10m | ○ ~100m | ◎ 〜10km |
| 電力消費 | ○ 低い | × 高い | ◎ とても低い |
| 通信速度・帯域 | ○ 中速 | ◎ 高速 | × 低い |
プライベートネットワーク構築が容易
免許不要な帯域を利用するため、施設専用の無線ネットワークを運用できます。月額の通信費を削減しやすいこともLoRaの魅力です。
施設管理者のお困りごと
人手不足が深刻化する中でも、保守点検などの負担が大きい業務は、自動化が進まずに取り残されている状況です。特に、設備が各所に分散していたり、電源や配線の制約がある場所では、その傾向が顕著です。
設備が点在している
都市の緑地、工場の敷地、公園、ゴルフコースのような広大な施設では、一括管理が難しい。
配線や電源の確保が困難
センサーを設置したい場所に有線を敷設できない、常時電源も取りづらい。
保守・点検の負担が大きい
広範囲の機器を人手で巡回し、故障や異常を見つけるのは時間もコストもかかる。
広範囲の施設の管理にLoRaが有効な理由
LoRaは配線工事を最小限に抑え、電源確保が難しい場所でもバッテリー駆動のセンサーを活用可能。プライベートネットワークの構築により、セキュアかつ広範囲の管理が実現。既存設備にも柔軟に対応できます。
ケーブルレスで大幅なコスト削減
LoRaは長距離無線通信を実現し、配線工事を最小限に抑えることが可能。工事期間や資材費を削減し、導入ハードルを下げる。
バッテリー駆動がしやすい省電力設計
極めて低い消費電力により、バッテリーで長期間稼働するセンサーや機器の設置が可能。電源確保が難しい屋外や遠隔地でも、バッテリー駆動で安定した監視・制御を行える。
プライベートネットワークでセキュアに運用
施設内にLoRaゲートウェイを設置することで、外部の通信回線を使わずにプライベートネットワークを構築可能。セキュリティリスクを最小限に抑えつつ、広範囲の管理を実現。
ランニングコストが不要
LoRaで利用する920MHz帯は、日本ではライセンスフリーの周波数のため、携帯キャリア回線のような月額通信料が不要で、運用コストを大幅に削減できる。
このように、LoRaは、広域施設や屋外でも迅速な判断を実現し、保守・点検の負担を大幅に軽減するシンプルかつ効率的な管理を可能にします。
LoRaの活用事例
BHが提供するLoRaを活用した製品は、工場照明の遠隔制御から、ゴルフ場(Air Rain Turf)や都市緑地(Air Rain Eco)の灌水管理など、多様な用途に対応可能です。省電力かつ広域通信を利用した、遠隔操作やセンサーで、施設管理の効率化をサポートしています。
※ LoRaの名称および関連するロゴは、Semtech Corporation またはその⼦会社の商標です。



