高層ビルの建設現場において、仮設照明の点灯・消灯は、フロアの移動で数十分かかることもあり、大きな負担となっていました。タイマー制御では日ごとの工程変動や残業に対応しきれず、現地での手動操作が避けられない状況でした。
本記事では、無線制御プロダクト「FieldMagic」を使い、現場1階の親機から、各フロアの仮設分電盤内に組み込んだ子機へ無線で指示を送り、仮設照明の一括遠隔制御を実現する例をご紹介します。スケジュール機能による朝の自動点灯に加え、終業時の手元消灯および状態確認を一元化し、毎日のフロア昇降・消灯巡回業務を削減しています。
手動操作とタイマー運用の限界
地上30階建ての当現場では、各フロアに2台ずつ設置された仮設分電盤(計60台)のブレーカーを手動操作して仮設照明を管理していました。
朝は作業前の点灯巡回で早出をおこない、夕方は消し忘れの対応で仮設エレベーターを数十分待つこともありました。工程変動や残業が日常的にある現場ではタイマー制御による自動運用も難しく、仮設エレベーターが停止している場合には、階段を使って各階を往復し対応せざるを得ない状況でした。

LoRa無線によるシステム構成
現場の1階に親機を設置し、各フロアには子機を組み込んだ仮設分電盤を配置しています。親機と子機の通信には920MHz帯のLoRa無線を採用し、LANケーブルや渡り配線を敷設せずに遠隔制御の仕組みを構築しました。
階層間をカバーするLoRa無線通信
親機と各フロアの子機は、長距離伝送に優れたLoRa無線で通信します。
LoRa無線とは
920MHz帯で使われる免許不要の無線方式。信号を時間をかけて送るため、データ量は小さいが弱い電波でも受信でき、見通しが取れれば5km以上届きます。
参照記事:海ほたる〜袖ヶ浦間の実験レポート
電波の減衰が大きい躯体構造や遮蔽箇所がある場合は、中継機を配置して通信経路を確保します。貸出機にて導入前に現地の電波強度を測定いただけます。

朝はスケジュール自動点灯、夕方は事務所PCから状態監視と消灯操作
朝の点灯は親機内のスケジュール機能で自動実行します。スケジュールアプリで点灯時刻を設定し、作業開始前に全系統が自動点灯します。工程変更に伴う点灯時刻の調整も、事務所のPC画面から設定を変更するだけです。

夕方の退場時は、事務所のPC画面から各系統の点灯状態(ステータス)を確認します。点灯中のフロアが一目で把握できるため、消し忘れがある系統をその場で遠隔消灯できます。確認のために上層階へ移動する必要はありません。

照明管理に伴う昇降の負担を解消
本システムの導入により、朝の自動点灯と夕方の遠隔制御を実現。消し忘れ対応に伴う再入場や、仮設エレベーター待ちの時間を削減しました。
Field Magicは、機器の操作・監視・スケジュール設定・ログ記録を親機単体でおこないます。事務所のPCやタブレットからブラウザ経由で親機を操作できるため、クラウド契約や通信SIMは不要です。ネット回線を使わず、ローカルネットワーク完結のため、月額の通信コストもかからない、買い切り型の製品です。
現場の盤構成や電波環境を確認できるトライアルキットを用意しています。構成のご相談やお見積もりはお気軽にお問い合わせください。
電気配線工事には電気工事士の資格が必要です。工事は電気工事会社にご依頼ください。Field Magicは、一般産業設備・施設における運用上の監視・制御を対象とした製品です。故障や誤動作が人命・重要インフラ・環境に重大な影響を及ぼすおそれのある用途には使用できません。
詳細は、製品の取扱説明書・仕様書をご確認ください。

