ある工場では、照明制御に長年フル2線式リモコンを使用してきました。以前から現場では「事務所からの遠隔操作による消し忘れ対応」「スケジュール運転の導入」「レイアウト変更に伴う専門業者への設定変更依頼の手間削減」といった要望があがっており、設備の更新時期を迎えたことを機に、これらの声を踏まえたシステムの見直しを行いました。
従来のフル2線式をそのまま更新する案も含めて比較検討を重ねた結果、専用設定器や追加配線が不要で、ブラウザ画面からの操作や柔軟な設定変更ができる「Field Magic」を採用。フル2線式と同等の個別・グループ制御を無線で構築し、PCやタブレットからの遠隔操作、スケジュール設定、系統変更を一元管理できる環境を整えました。
本記事では、既存の設備も活かし、フル2線式の工場照明をField Magicで無線化し、スマート照明制御へ更新した構成を紹介します。
フル2線式の照明制御に、無線の選択肢
フル2線式リモコンは、2本の伝送線にスイッチとリレーをつなぎ、照明系統ごとの個別制御や一括制御を行う方式です。配線を集約できるため、工場や倉庫などで広く採用されています。
Field Magicは、盤内のリモコンリレーに子機をつなぎ、PCやタブレット等からLoRa無線で照明を操作できるシステムです。ブラウザ上で操作・設定ができ、操作履歴も記録されます。
新設の照明制御はもちろん、既設のフル2線式設備からの更新にも導入できます。
LoRa無線とは
920MHz帯で使われる免許不要の無線方式。信号を時間をかけて送るため、データ量は小さいが弱い電波でも受信でき、見通しが取れれば5km以上届きます。
参照記事:海ほたる〜袖ヶ浦間の実験レポート
フル2線式でできることは、無線でもできる
一括点灯・消灯、グループ分け、タイマー運転など、フル2線式では専用設定器を必要としていた各種設定が、Field Magicではブラウザ画面上の操作で完結します。
| 項目 | フル2線式リモコン | Field Magic |
|---|---|---|
| 操作の配線 | 伝送線2本を敷設 | 配線なし(無線。LAN接続も選択可) |
| 操作場所 | 壁のスイッチ・操作盤の前 | PC・タブレットのブラウザ画面 |
| 一括点灯・消灯 | パターン設定で対応 | 画面のボタンで実行 |
| グループ制御 | 専用の設定器で設定 | 管理画面で設定 |
| スケジュール運転 | タイマユニットを追加 | 管理画面で設定 |
| 系統の組み替え(レイアウト変更) | 設定器で変更 | 管理画面で設定 |
| 設定変更の依頼 | 設定器を扱える業者へ依頼 | 不要(画面から自社で変更) |
| 既存設備の流用 | ― | 既設のリモコンリレーを流用可能 |
| 月額費用 | なし | なし(クラウドを使わないローカル構成) |
※フル2線式リモコンの項目は、代表的な機器構成における例です。
フル2線式の工場の照明を、無線化する構成例
既設の盤の中に、子機を設置
この工場では、フル2線式リモコンで照明を制御していました。今回は既設設備を残したまま無線化をおこない、同棟内の事務所にあるPCやタブレット等から操作できる環境を構築することにしました。

親機は事務所に置き、子機は既設の盤内に設置します。親機と子機間はLoRa無線で接続するため、棟内の追加配線は必要ありません。子機は通信ユニットとリモコン制御ユニットで構成され、制御ユニットを各照明のリモコンリレーに直接接続して開閉制御を行います。
壁面スイッチによるフル2線式の操作信号と、Field Magicからの無線制御信号の双方が同じリモコンリレーを駆動する構成です。照明の点灯状態も子機がリレーから取得し、画面へ反映します。
伝送ユニットや伝送線、壁面スイッチ、照明配線といったフル2線式の既存設備には手を加えず、盤内の子機と事務所の親機を追加するだけで無線化が完了します。
個別・一括操作もすべてブラウザ画面で
照明操作はPCやタブレット等のブラウザ画面で行います。従来の壁スイッチと同様の系統単位で画面上のボタンから点灯・消灯でき、点灯状態も同じ画面で確認可能です。事務所にいながら状況を把握できるため、消し忘れ確認のために現場まで行く必要がなくなります。

系統や棟ごとのグループ分けも画面上で設定でき、ラインやエリア、棟単位の一括点灯・消灯も可能です。スケジュール制御にも対応しており、点灯・消灯の時刻をブラウザ画面上で設定できます。系統ごとに専用のタイマーユニットを追加したり、現地で1台ずつ設定作業をする手間は不要です。

最新のスマート照明制御システムを簡単な工事で構築
この工場で追加した機器は、事務所の親機1台と、盤の中の子機だけです。伝送線は敷かずに済み、主な工事は盤の中の結線と親機の設置で完了しました。
照明の遠隔操作、点灯状態の監視、操作ログの保存は、すべて親機に搭載されたアプリケーションでおこないます。操作場所を増やす場合も、制御盤に子機を追加し、ブラウザの管理画面から自社で設定ができるようになりました。クラウドサービスを経由しないローカル構成のため、インターネットは接続不要で、運用開始後の月額費用(ランニングコスト)も発生しません。
新設時も信号線の配線工事が不要なため、配線工事費を抑えつつ、最新のスマート照明制御システムを構築することができます。まずは1系統からの部分導入も可能です。お気軽にお問い合わせください。

Field Magicの製品ページはこちら
LoRa無線で照明や工場設備を遠隔制御するシステムです。クラウド不要でLAN内で完結します。既設にも導入可能。
電気配線工事には電気工事士の資格が必要です。工事は電気工事会社にご依頼ください。Field Magicは、一般産業設備・施設における運用上の監視・制御を対象とした製品です。故障や誤動作が人命・重要インフラ・環境に重大な影響を及ぼすおそれのある用途には使用できません。
詳細は、製品の取扱説明書・仕様書をご確認ください。

