本記事のポイント
- 毎回マンホールを開けて計測する負担と安全リスクを減らす。
- 電池式センサーで測った水位をLoRaで近くの地上中継機が受信し、親機で集約してLTEでクラウドへ送る。
- 後付け・電池式・最大3段の中継で、配線工事を抑え既存設備でも始めやすい。
日々の水位の把握は省力化しつつ非常時に備える
防火水槽は、平常時から十分な水量を確保することが求められる設備です。FieldMagicでは、マンホール内の水位を電池式センサーで測定し、LoRaにより近くの地上中継機で受信、親機でデータを集約します。データはインターネット経由で親機にアクセスして閲覧することも可能です。拠点をまたいで同じWeb画面で状況を確認できるため、巡回の頻度を減らし、少人数でも安全と効率を両立できます。
現場のマンホール巡回による負担
担当者はルートを組んで順にマンホールを開け、目視や携帯計測器で確認します。雨天や夜間、交通のある場所では転倒や落下の危険が高まり、地上では誘導の手間も増えます。さらに、地下は無電源で電波も届きにくいため、水位の確認や更新は点検や巡回のタイミングに限られていました。
防火水槽の水位データを中継して親機へ送る
電池式の水位センサーで測定したデータは、近くの地上に設置された中継機が受信し、親機(LoRaコントローラ)に集約されます。最大3段まで中継が可能なため、建物や地形によって直接通信できない場所でも、中継機を経由して通信経路を構築できます。配線工事を最小限に抑えられるため、既設設備への影響が少なく、新たな拠点も容易に追加できます。

地上で確実に受信する中継用のLoRa通信機
地下から遠距離を狙わず、センサー → 中継機 → 親機の経路で、まず近傍(標識支柱など)の地上で確実にデータを受信。中継機を経由して定期的に水位データを送信・集約します。
中継で配線に縛られない
電池式の中継機で障害物を回避。広い敷地や離隔のある地点でも導入しやすくなります。
機器構成図

FieldMagicが活きる防火水槽の設置環境例
- 工場団地・物流拠点(敷地が広く水槽が点在、巡回距離が長いエリア)
- 自治体の生活道路沿い水槽(交通量が多く、巡回時の安全確保が難しい地点)
- 大規模集合住宅・ニュータウン(管理棟から離れた水槽をまとめて確認したい環境)
- テーマパーク・リゾート(夜間・悪天時の巡回負担を下げたい施設)
- 大学・病院キャンパス(複数部門で同じ水位情報を共有したい敷地)
法定点検に備え、日常監視を自動化
センサーが定期的にデータを送信(1日1回の計測運用で約10年間使用可能)することで、平常時の状態を把握し、必要なときだけ現地で確認や復旧に向かうことができます。マンホールを開ける回数や移動を減らし、安全リスクと作業のムダを抑制します。消防法に基づく機器点検や総合点検は計画通りに実施しながら、日常の水位データも自動的に収集・共有できます。FieldMagicは、既設設備に後付けする形で広域をカバーする遠隔監視を実現します。