お困りごと・課題
災害後の建物安全管理において以下の課題がありました。
健全性評価の遅延
大地震発生後、建物の安全性を迅速に把握する必要があるにもかかわらず、現状では専門知識を要する調査作業が必要なため、評価に時間がかかってしまいます。
専門知識の不足による判断困難
建物の状態を正確に判断するためには専門的な知識が不可欠ですが、利用者や管理者がその情報を持たない場合、適切な対応の判断が困難となるリスクがあります。
迅速な対応体制の不備
過去の東日本大震災や熊本地震では、建物の健全性判定情報が迅速に提供されなかったため、避難や復旧の判断が遅れ、事業継続や安全確保に支障をきたす事例が見受けられました。
システム概要
本システムは、建物に設置されたセンサが地震時の建物の揺れを加速度データとして取得し、そのデータをクラウドシステムへ送信します。解析アルゴリズムにより、揺れの度合いが数値化され、測定値と過去の被災データを照合し、建物のダメージや健全性を評価します。評価データは診断結果画面に表示されるほか、メール通知機能で情報が迅速に共有されます。
また、地震センサはカメラと連携し、画像のメール送信も可能です。災害時の現場の状況を視覚的に確認することもできます。

製品特徴
地震の揺れをリアルタイムで数値化し、多拠点・多数の建物の安全性を迅速に診断するシステムです。この評価により、地震発生直後の建物の健全性を迅速に把握することを可能にしました。利用者や管理者が迅速に適切な対応を取るための重要な判断材料を提供します。
リアルタイムでの地震モニタリングと安全性評価
地震の揺れをリアルタイムで感知し、その揺れの程度や建物の安全性を評価する技術を備えています。これにより、地震発生時の被害を迅速に把握し、適切な対応策を取ることが可能となり、揺れの度合いに応じた被害の推測も実現しています。避難や緊急時の対応に有効に活用されています。
精密なダメージ評価と復旧活動の支援
地震による揺れを数値化することで、建物が受けたダメージを正確に評価します。評価結果に基づいて、建物のどの部分が危険な状態にあるかを判定、被害の規模や緊急補修が必要な箇所を特定するのに役立ちます。
多拠点の情報を瞬時に確認
クラウドサーバでデータを集約管理するため、各拠点の情報を瞬時に把握できます。たとえば、全国に多数の支店を展開する企業の場合、地方で災害が発生した際は、メール通知機能により迅速に本社へ情報が共有され、MAP表示機能を用いて各支店の震度や建物の健全性を一覧で確認することが可能です。
迅速な判断支援と災害対応
リアルタイムで提供されるデータを基に、自治体や企業は迅速に判断し、復旧活動の優先順位を定めることができます。これにより、避難や緊急時の対応が効果的に行われ、災害時の指揮統制を向上させ、命を守るための重要なツールとなっています。

共同開発企業
戸田建設株式会社
「ユレかんち」は、事務所や生産施設など、100件以上の建物に導入され、実績を重ねています(2024年12月時点)。各拠点の被災状況を一元管理し、迅速な災害対応を可能にする点で高い評価を得ています。